メールマガジン
2015/01/14
くぼ ジャパンPress~関西から日本へ~【メルマガ203号】
貸倒損失の問題ない処理方法
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くぼ ジャパンPress ~ 関西から日本へ ~
Vol.203 平成27年 1月14日
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[目次]=================================
♪ 貸倒損失の問題ない処理方法 ♪
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└■ 貸倒損失の問題ない処理方法
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「貸倒損失」とは、回収不能となった売掛金や貸付金など、金銭債権について
損失に計上することです。
例えば、1年前に売り上げた50万円の商品の売掛金が、今だに入金にならない
ことがあります。これを「貸倒損失」として計上すると、50万円×35%(法人税
等の実効税率)=17万5千円が節税となります。しかし、無条件で 「貸倒損失」
と経理処理しても、認められるわけではありません。
常識的には回収不能でも、税法上の要件を満たさないと認められません。税務調
査が入ると「貸倒損失」は細かくチェックされます。要件を満たしてないと申告
を求められます。
税法上の要件とは、以下が代表的なものです。
(1)債権者集会で定められたもの
(2)継続取引をして取引停止後1年以上経過した売掛金
(3)旅費などの回収費用のほうが多くかかる売掛金
(4)債務者の債務超過が継続し返済が不可能で、その債務者に対して書面により
明らかにされたもの
(1)について、通常は書類で通知書が来ますので、それを税務調査のときに提示
すれば問題ありません。その集会があった期で損失処理をする必要があります。
(2)の「1年以上」は、税務調査では厳格にチェックされます。4月に発生した売
掛金の貸倒損失を、翌年の3月末に損失処理すると1年未満ですので、否認されます。
この期間の基準は要注意です。
(3)は、たとえば大阪の会社が、沖縄の会社に商品を売り、その売掛金が回収で
きないような場合です。売掛金が2万円で、交通費が5万円かかるなら、貸倒損失処
理ができます。
(2)と(3)の2つの経理処理は、 「1円を残して」貸倒損失処理を行います。た
とえば、3万円の売掛金であれば、29,999円が「貸倒損失」となります。将来に回
収できた場合は、回収額が収益となります。
(4)は、書面でこちらから債権を放棄するケースです。普通郵便では証拠が残ら
ないので、税務調査で納得してもらえません。客観的な証拠を残すためには「内
容証明郵便」で出すことです。相手が夜逃げしてその住所にいないこともあります。
その場合は、戻ってきた郵便物を残しておきます。また、相手先がかなり厳しい状
況であることが前提です。債務超過が「相当期間」継続していることが条件となり
ます。ここで問題になるのが「相当期間」です。税法の解説書を見ると、3年~5年
程度とあります。
「債務超過」とは資産より負債が多いことですから、そもそも相手の会社が「債務
超過」かどうかは決算書を見ないとわかりません。たとえば、相手が夜逃げしたよ
うな場合は、「債務超過」が「相当期間」だったと推定できるでしょう。
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