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2018/09/20
くぼ ジャパンPress~関西から日本へ~【メルマガ401号】
テーマ:『小規模宅地等の特例の見直し』
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- 目次 (平成30年9月14日発行)
『小規模宅地等の特例の見直し』
『小規模宅地等の特例の見直し』
平成30年度税制改正により、相続税における小規模宅地等の特例について要件が見直されることとなりました。改めて確認してみましょう。
1. 制度の概要
小規模宅地等の特例は、個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額する制度です。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。なお、相続開始前 3 年以内に贈与により取得した宅地等や相続時精算課税に係る贈与により取得した宅地等については、この特例の適用を受けることはできません。
2. 改正の内容
(1)貸付事業用宅地等の見直し
貸付事業用宅地等の特例とは、被相続人の貸付事業の用に供していた宅地等について、一定の要件を満たす場合には、その評価額から200㎡まで50%減額される制度です。特例を適用するために、一時的に現金を不動産に換えるなどして相続税額を軽減するケースが問題視されたため、要件が厳格化されました。
具体的には、相続開始前3年以内に貸付を開始した不動産については、対象から除外されることとなりました。ただし、事業的規模で貸付を行っている場合は除かれます。
(2)「家なき子特例」への対応
この特例は、被相続人の居住用の宅地を被相続人と同居していない親族が取得した場合にも適用することが でき、これが「家なき子特例」と呼ばれています。特定居住用宅地等の特例は、被相続人の居住の用に供している宅地等について一定の要件を満たす場合に、その評価額から330㎡まで80%減額される制度です。この一定の要件のうち、いわゆる「3年内家なき子特例」の要件は下記のとおりです。
① 被相続人に配偶者及び同居相続人がいないこと。
② 相続開始前3年以内に日本国内にあるその人又はその人の配偶者の所有する家屋に居住したことがない人 が 取得すること。
③ 当該宅地を申告期限まで保有していること。
しかしながら、相続人が親族などに自己の持ち家を売却するなどして適用可能な状態を意図的に作出するケース等が問題視されたことから、適用要件を厳格化する改正が行われ、次に掲げる者は「3年内家なき子」から除外されることとなりました。
① 相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族またはその者と特別の関係のある法人が有する国内に
ある家屋に居住したことがある者。
② 相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者。
(3)介護医療院への適用追加
この特例は、被相続人が自宅を離れ老人ホーム等に入所していた場合にも適用できる場合がありま す。介護医療院もその対象となりました。
3. 適用時期
平成30年4月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。