メールマガジン
2014/03/10
くぼ ジャパンPress~関西から日本へ~【メルマガ173号】
経営者保証に関するガイドライン
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くぼ ジャパンPress ~ 関西から日本へ ~
Vol.173 平成26年 3月10日
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└■ 【経営者保証に関するガイドライン】について
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日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会を事務局とする[経営者保証に関
するガイドライン研究会]から、12月5日に公表された[経営者保証に関するガ
イドライン]の適用が2月1日から開始されます。今回は[経営者保証に関する
ガイドライン]についてご紹介いたします。
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1.背景
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経営者保証には経営者への規律付けや信用補完として資金調達の円滑化に寄与
する面がある一方、経営者による思い切った事業展開や、早期の事業再生等を阻
害する要因となっているなど、保証契約時・履行時等において様々な課題が存在
します。これらの課題を解消し中小企業の活力を引き出すため、中小企業、経営
者、金融機関共通の自主的なルールとして本ガイドラインが策定されました。
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2.[経営者保証に関するガイドライン]の概要
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1.保証契約時等の対応
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【1】経営者保証に依存しない融資の一層の促進
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1)主たる債務者及び保証人における対応
保証を提供せずに資金調達を希望する場合は、以下の経営状況が必要。
・法人と経営者の関係を明確に区分・分離
・財務状況や経営成績の改善を通じた返済能力の向上等による信用力の強化
・信頼性の高い情報を債権者に開示・説明
2)対象債権者における対応
・債権者は、保証の機能を代替する融資手法(停止条件又は解除条件付保証契約、
ABL等)のメニューを充実
・上記の経営状況等が将来に亘り維持されると見込まれる場合、保証を求めない
融資や代替的な融資手法を活用する可能性を検討
【2】経営者保証の契約時の債権者の対応
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やむを得ず保証契約を締結する場合、以下の対応に努める。
・主債務者や保証人に、保証契約の必要性、必要性が解消された場合の保証契約
の変更・解除等見直しの可能性等を丁寧かつ具体的に説明
・適切な保証金額の設定(形式的に保証金額を融資額と同額とせず、保証人の試
算及び収入の状況等を総合的に勘案して設定。保証履行請求額に一定の基準日
以降の保証人の収入は含まないなどの適切な対応を誠実に実施する旨を保証契
約に規定。)
【3】既存の保証契約の適切な見直し
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保証契約の見直しの申し入れ時には、主債務者、保証人及び債権者は上記(1)
、(2)に即して対応するが、特に事業承継時には以下のように対応。
・主債務者や保証人は、経営者後退の事業への影響を説明するなど債権者の情報
開示要請に適切に対応
・債務者は、後継者に当然に保証債務を引き継がせず、必要性を改めて検証。
前経営者との保証契約の解除についても適切に判断
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2.保証債務の整理
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【1】経営者の経営責任の在り方
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・中小企業再生支援協議会、事業再生ADR、私的整理ガイドライン、特定調
停等利害関係のない中立かつ公正な第三者が関与する私的整理手続及びこれに
準ずる手続を原則利用する。
・一律かつ形式的に経営者の交代は求めず、経営者の帰責性や経営資質、事業
再生への影響等を総合的に勘案し、経営者が引き続き経営に携わることに経済
合理性が認められる場合には、これを許容。
【2】保証債務の履行基準(残存資産の範囲)
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・残存資産の範囲の決定に際し、保証人の履行能力、保証人の経営責任や信頼
性、破産手続の自由財産の考え方との整合性等を総合的に勘案。
・保証人は、自らの資力の情報開示、表明保証を行い、支援専門家が情報の正
確性を確認。
・債権者は、保証人の要請を受け、回収見込額の増加額(破産手続に至らなか
ったことや、早期の清算手続の着手により保有資産の劣化防止が図られたこと
に伴う回収見込額の増加額)を上限として、経営者の安定した事業継続、事業
清算後の新たな事業の開始等のため一定期間の生計費に相当する額や華美でな
い自宅等を残存資産に含めることを検討・事業継続に必要な資産は、保証人か
ら法人に譲渡し、保証債務の返済原資から除外。
【3】保証債務の一部履行後に残存する保証債務の取扱い
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保証人が表明保証した資力が事実に反した場合は追加弁済する旨の契約締結等
の要件が充足されれば、債権者は残存する保証債務の免除に誠実に対応。