メールマガジン
2020/02/10
くぼ ジャパンPress~関西から日本へ~【メルマガ429号】
テーマ:『令和元年分確定申告のポイント』
このメールは、税理士法人KJグループの顧問先様と、セミナーにご参加頂いた方、
今までに名刺交換をさせて頂いた方にお送りしております。「関西から日本を元気にしよう!!」をモットーに日夜奮闘している会計事務所が送るメールマガジン。新鮮な情報を配信中です!
- 目次 (令和元年12月26日発行)
『令和元年分確定申告のポイント』
『令和元年分確定申告のポイント』
(1) 消費税の確定申告における特例措置の適用
個人事業者の令和元年分消費税の確定申告は、軽減税率導入後、
初めての申告となります。
飲食料品と生活雑貨を販売する小売業者、店内飲食とテイクアウト売上
のある飲食店など軽減対象売上と標準対象売上のある事業者では、
今までよりも会計処理や申告書の作成に手間を要する事業者も
いらっしゃるのではないでしょうか。
現在も軽減税率制度への対応に苦慮されている事業者も見受けられるところですが、
売上又は仕入を税率ごとに区分することにつき困難な事情がある中小事業者
(基準期間における課税売上高が5千万円以下の事業者)に対しては特例措置が
設けられました。ここでいう「困難」の度合いは問わないこととされていますので、
何らかの理由で税率区分ができない事業者については特例措置を適用することと
なる場合も多いものと思われます。
それぞれの特例措置の内容、複数の事業を営む場合(例:飲食料品小売業と不動産賃貸業)
の特例措置の適用関係などを確認する必要はありますが、適用できる特例措置が複数ある
場合などには納税額に差が生ずることになるため、有利判定により特例措置を選択する
ことも想定されます。
➢ 「小売等軽減仕入割合」・「軽減売上割合」・「50%」のいずれの割合を
適用するか。
➢ 軽減売上割合の計算にあたり、通常の連続する10営業日の計算期間を
いつとするか(課税期間中であれば計算期間は任意)。
➢ 複数の事業(軽減対象売上と標準対象売上)を営む場合に、
まとめて特例措置を適用するか。
➢ 簡易課税制度を適用するか。
➢ etc
(2) 特例措置の適用期限
特例措置には下記の期限が設けられています。
➢ 売上計算の特例・・・令和元年10月1日から令和5年9月30日までの期間
➢ 仕入計算の特例・・・令和元年10月1日から令和2年9月30日の属する課税期間の
末日までの期間(簡易課税制度の届出の特例については、
令和元年10月1日から令和2年9月30日までの日の属する課税期間)
また令和5年10月1日からはインボイス制度の導入により、
税率ごとに売上金額を区分した適格請求書等の交付が必要になる
事業者が多いと思われます。
現在の区分記載請求書等保存方式では、税率区分が困難で税率ごとに
区分されていない請求書等を交付した場合でも購入側で追記することで
仕入税額控除への対応が可能ですが、インボイス制度では追記は
認められていません。
税率区分が困難であるとして消費税の申告では特例措置を適用する場合
であっても、適用期限が設けられていることや適格請求書等の交付を見据え、
いずれは区分できるように対応を検討する必要があるでしょう。