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2020/04/06
くぼ ジャパンPress~関西から日本へ~【メルマガ430号】
テーマ:『被相続人の居住用財産の譲渡における取扱い』
このメールは、税理士法人KJグループの顧問先様と、セミナーにご参加頂いた方、
今までに名刺交換をさせて頂いた方にお送りしております。「関西から日本を元気にしよう!!」をモットーに日夜奮闘している会計事務所が送るメールマガジン。新鮮な情報を配信中です!
- 目次 (令和2年1月30日発行)
『被相続人の居住用財産の譲渡における取扱い』
『被相続人の居住用財産の譲渡における取扱い』
被相続人の居住用財産の譲渡について、確認してみましょう。
1. 租税特別措置法(以下「措置法」という。)第35条第3項
被相続人の居住用財産の特別控除(空き家の譲渡特例)は、適切な管理が行われていない空き家等が
防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、
身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空き家等の活用を促進するため
(空き家等対策の推進に関する特別措置法第1条)に、創設されました。
適用については、一定の要件を満たす必要があり、平成28年4月1日から令和5年12月31日までに
譲渡した場合に適用できます。
2. 被相続人の居住用財産の特別控除(空き家の譲渡特例)の改正
平成31年度税制改正により、令和元年12月31日までとされていた適用期間が
令和5年12月31日まで延長され、特例の対象となる相続した家屋についても、
被相続人が相続の開始直前において居住していたことが必要でしたが、
平成31年4月1日以後の譲渡については、老人ホーム等に入所した場合
(一定の要件を満たした場合に限ります。)も対象となりました。
被相続人が老人ホーム等に入所をした時点において介護保険法に規定する
要介護認定等を受け、かつ、相続の開始の直前まで老人ホーム等
(認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、 養護老人ホーム、
特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、
介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅、障害者支援施設、障害者共同生活援助
を行う住居)に入所をしており、被相続人が老人ホーム等に入所をした時から
相続の開始の直前まで、その家屋について、被相続人居住用家屋がその被相続人の
物品の保管その他の用に供されていたこと、かつ、事業の用、貸付けの用又は
その者以外の者の 居住の用に供されていたことがない場合に適用されます。
3. 各種特例との適用関係
被相続人の居住用財産の特別控除と他の特例の適用関係について
被相続人の居住用財産 → 被相続人の居住用財産の特別控除(措置法第35条第3項)
相続人の居住用財産 → 居住用財産の特別控除及び軽減税率(措置法第35条第1項、第31条の3)
適用関係 → 併用可 同一年の控除額は3,000万円が限度
被相続人の居住用財産 → 被相続人の居住用財産の特別控除(措置法第35条第3項)
相続人の居住用財産 → 特定の居住用財産の買換えの特例(措置法第36条の2)
適用関係 → 併用可
被相続人の居住用財産 → 被相続人の居住用財産の特別控除(措置法第35条第3項)
相続人の居住用財産 → 住宅借入金等の特別控除(措置法第41条)
適用関係 → 併用可
被相続人の居住用財産 → 被相続人の居住用財産の特別控除(措置法第35条第3項)
相続人の居住用財産 → 認定住宅の新築等特別控除(措置法第41条の19の4)
適用関係 → 併用可
被相続人の居住用財産 → 被相続人の居住用財産の特別控除(措置法第35条第3項)
相続人の居住用財産 → 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び
繰越控除(措置法第41 条の5)
適用関係 → 併用可
被相続人の居住用財産 → 被相続人の居住用財産の特別控除(措置法第35条第3項)
相続人の居住用財産 → 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(措置法第41条の5の2)
適用関係 → 併用可
なお、被相続人の居住用財産を譲渡した場合、被相続人の居住用財産の特別控除
(措置法第35条第3項)と 相続財産に係る取得費加算の特例(措置法第39 条)は、
どちらかを選択適用することになります。