メールマガジン
2020/04/06
くぼ ジャパンPress~関西から日本へ~【メルマガ431号】
テーマ:『令和2年度税制改正大綱(法人税・消費税)』
このメールは、税理士法人KJグループの顧問先様と、セミナーにご参加頂いた方、
今までに名刺交換をさせて頂いた方にお送りしております。「関西から日本を元気にしよう!!」をモットーに日夜奮闘している会計事務所が送るメールマガジン。新鮮な情報を配信中です!
- 目次 (令和2年2月27日発行)
『令和2年度税制改正大綱(法人税・消費税)』
『令和2年度税制改正大綱(法人税・消費税)』
昨年末に、令和2年度税制改正大綱が公表されました。
法人税、消費税につき、従前の取扱いと異なる主な改正は次のとおりです。
1. 法人税
(1) 連結納税制度からグループ通算制度へ(R4.4.1以後開始事業年度)
グループ通算制度では、申告、納税は単体法人で行います。
損益通算等のメリットは維持しつつも、連結納税制度に比べて簡素な方法で
税額計算を行うことを目的としていますので、特に事務負担の増加等の理由で
連結納税制度を採用していなかった場合には適用を検討してもいいかもしれません。
また連結納税制度を採用している場合は、自動的にグループ通算制度へ
移行することになりますが、移行時に届出をすることにより適用を取りやめることもできます。
(2) グループ通算制度への移行に伴う単体納税制度の見直し(R4.4.1以後開始事業年度)
グループ通算制度の適用の有無は関係ありませんので、各法人の状況によって
次のような影響が考えられます。
a. 受取配当等の益金不算入制度
(イ) 負債利子控除額
現行の原則法の計算においては、集計作業等に手間を要するケースもありますが、
改正後は「関連法人株式等に係る配当金額×4%」で計算しますので、集計作業等
の手間が軽減されると思われます。
(ロ) 関連法人株式等、非支配目的株式等の判定
例えば100%グループ内でA社が3%、B社が4%保有している同一銘柄の株式がある場合、
改正前は非支配目的株式等として「配当金額×20%」が益金不算入額となります。
改正後は100%グループ内の保有割合で判定しますので、その他の株式
(保有割合7%)に該当し、「配当金額×50%」が益金不算入額になります。
b.寄附金の損金不算入制度
組織再編や自己株式の取得等により、「A 資本金等の額」と「B 資本金額+資本準備金額」が
異なる法人については、A>Bの場合には損金算入額が減少、A<Bの場合には損金算入額が
増加することになります。
c. 貸倒引当金の損金算入制度
貸倒引当金の繰入対象となる金銭債権から、100%グループ内の法人に対する
金銭債権が除かれますので、特に100%グループ内の法人に対して多額の金銭債権を
有している法人では、繰入限度額が大幅に減少することになります。
2. 消費税
令和3年3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から、
消費税の確定申告期限を1ヶ月延長することができますが、法人税と同様に、
本税の納付が延長期間に行われた場合には、当該期間に係る利子税の納付が必要です。
なお、課税期間の特例(3ヶ月又は1ヶ月の短縮)を適用している場合であっても
延長することができるのは、事業年度末日の属する課税期間だけですので、
それ以外の課税期間においては現行どおり、2ヶ月以内の申告をすることになります。